こりゃすごいの一言。これはバイク史に新しい歴史を作ったと言われることはもはや疑いようがないレベルであります。価格は400、燃費は250、走る姿はユリシーズという万能さで、メットインまでついてやがります...個人的にはスーパーカブ並のインパクトを感じています。
まずは凄かったところをまとめると、
- ビューエル系トルク型エンジン
6000rpm50psがよく話題になってますが、最大出力は発電機とかポンプなら重要かもしれませんが、乗り物だと様々な要素が複雑に絡み合うので実際何とも言えない部分があります。
例えば2st250と、DR-Z400と、VT250Spadaと、400のクルーザーと500スクーターすべて40psですが、どう考えても同じパワーフィールなわけがないですよね。
車体の目的・ディメンション・ドライブトレイン・吸排気・タイヤに騒音規制や環境規制でのデチューン方法などを考慮すると、やはり一概にはいえませんね。
話を元に戻すと、パワーフィールはまさにビューエルもかくやという超低回転型。XB12みたいに気絶したかのような吹っ飛び感はもちろんないですが、XB7があったらこれくらいだろうなというくらいワープする加速が楽しめます。3000rpm当たりでモリモリ感が発生して、あっというまにレブまで到達ですが、レブ周辺はパワー感は少なめですが、所謂ただ回ってるという感じでもないです。
当然どっからでも加速し、公道では(世界基準でも)まあ合法的に使えるだろうなという速度域での楽しさはユリシーズの次に楽しいと思います。
- ジェントルだが面白い音
国内仕様というとどうしても音が全くないような感じだったんですが、最大出力発生回転数が低い分、騒音計測回転数が低くできるからか、存外に迫力がある音が回すと出ます。アイドリングはカムチェーンの音が結構大きくてトライアンフっぽい感じが。ただガサツな感じはなくて、精密につくってあるなーという感じです。
- 超低重心
ビューエルは、全体的なマスの集中や、OHVやマフラー位置などでの低重心化を行って、あの手のバイクにしては違和感アリアリの重心位置なんですが、これはそれどころじゃありません。代車で乗ったXL-72とかのローライドなクルーザーくらいの位置に重心があるので恐ろしく乗りやすいです。足が長いのでコーナリングが辛いと言うこともありません(Xは)。
- 効き過ぎるブレーキ(コンバインドABS)
コンバインド全開になるリアブレーキだけで止まろうとすると人間だけ吹っ飛びそうな感じです。ABS使うまでもないかと。シングルでこれくらいの車重であれくらい効くのはどういう仕組みなんだろうか...
- 視界が広い
ユリシーズみたいに、メーターとかが下の方で自分の視界に何も入りません。開放感があっていいんですよね...
- 燃費
60km/h定地で41ってセローより燃費がいいんですが...制限140km/hの海外で25-30という話なんであり得ないという話ではないかもしれません。完全新発想新設計のエンジンと化石の(従来のバイクのエンジンすべてに当てはまる)空冷エンジンですし。ビューエルも3000rpmで流すと凄まじい燃費のよさを発揮しますし。
- ランニングコストがバツグン
シングルディスク、17インチかつリアが160のタイヤ、レギュラーガス(まあ10Lで100円もかわんないんですが)にオイルもそんな大量に必要とは思えません。プラグも結構もつんじゃないでしょうか。
- とにもかくにもメットイン!
オンメットなら楽勝で入るし、箱を付ければ箱の中の小物を全部移動させて広々と使うということもできましょう。ETC付けることを考えるとメット入れるとちょっとアレかもしれませんが。
- オプションパーツがもりだくさん
ホンダアクセスだけでも結構あるので、社外も国内外を問わずいろいろでると思われます。数が出そうなバイクなので開発も進むというもんです。
- 太すぎず細すぎない車格
Vはどうしても細すぎる感じがありますし、4発はデカすぎます。となると、その中間のパラツインは割といい案配です。メットインなどの絡みでタンク周りはTDMくらいのインパクトはあります。
- 存外に足つきがイイ
173のごつい感じでほぼ両足ベタです。サスがかなり堅かったのでプリロード抜くと普通に両足付くかも知れません。
- 割と余裕ある車高
セロー乗車時くらいの余裕があるんで、路側帯とかにひっかかるんじゃあなかろうかみたいな感じもなく、悪路ではそこそこ快適に走れると思います。
- カブを彷彿とさせるシート
初バイクがカブだったんですが、あれのシートを超えるシートはユリシーズしか今のところありませんが、これは割とカブっぽいふかふかな感じでロンツーでもよさそうです。
- DCT仕様をまだ残している
ポルシェですら、もはやMT(車の)は性能的に全く劣っているが、そういうのが好きな人のためだけに出していると言わしめるツインクラッチトランスミッションを搭載するモデルが出ます。MT仕様ですら割とエグい燃費がさらによくなるという...個人的には悪路でのクラッチによるトラクションコントロールがいらないレベルの制御ならそれはそれで面白そうだと思っていますが、スクーターみたいなお粗末なのだとちょっと困りますね。値段も上がりますし。
- 言うまでもなく恐ろしい価格設定
Versys86万、V-Strom100万、TDM100万という時代に、ベースグレード65万で上記の性能です...さらに恐ろしいのは、結構いろんな店で値引き枠があるのと、国内仕様なんで納車手数料が安い安い。Versysで言うと、納車手数料10万くらいかかるんですが、これだと値引きでトントンかそれ以下になるレベルで乗り出し65以下が当たり前という感じです。
残念な点と修正できそうな対策もあります。
- 乗車姿勢がちぐはぐ
ポジションはよくあるアルプスローダータイプなんですが、どうも世界仕様の設計なのかスクーターにも流用するからかの絡みでハンドルが若干遠くて低いです。角度の変更などをすると若干快適になると思われます。ただ上体起こしすぎると尻にダメージが行くので注意が必要です。でもステップの位置は個人的にはローダートップですね。まあこのジャンルアジア人には辛いですが、慣れっちゃー慣れでもあります。
- タンク容量
まあ燃費はいいんでしょうが、ユリシーズより少ないのはちょっと気になります。25km/lで余裕もって10lに入れるとして250km、30で300 40で400で給油したほうがいいんじゃないでしょうか。400はどう考えてもおかしいですけど。
- ホーンとウインカーが一般的な位置と逆
知人がモトグッツィに乗ってるんですが、普通ウインカーのスライドが上で、ホーンが下だと思うんですが、何故かそれが逆になってていきなりホーン鳴らします。NCもホーンが上なんで、10kmの試乗で3回は慣らしました。これしか乗らないならいいんですが、二台持ちだと確実に混乱します。
- 足回りが結構堅い
まだ慣らしのなの字も終わって無く、プリロードがどんくらい掛かってるのか分からないですが、ちょっと足回りが堅いですね。これもまあしばらく乗らないとわかりません。飛ばすにはよさそうなんですが、公道速度重視なんだからもうちょいしなやかでもよかったかもしれません...
- コンバインドABSが明確にイマイチ
安全な速度でABS発動させてみたんですが、ロックはしてないんでしょうが、すごいスリッピーな感じでちょっと怖いです。フィードバックも不自然。この辺はBMWとかは流石ですね...
- 初期装着タイヤ(BT-021)が相当イマイチ
ピレリエンジェルや、ミシュランのPR3と比較するとはっきり言って比べものにならないというか、あれをツーリングタイヤというならこのタイヤはそれ以下と言わざるを得ません。どうせ専用開発しないで市販タイヤを装着するんなら、追い金とか出てもイイから好きなタイヤ履かせてくれればいいのにと思います。
- 風防が小さすぎる
セロー用?というレベルで、無いよりマシくらいレベルと言わざるを得ません。社外や純正のデカいやつ必須です。夏場はこれのほうがよさそうですが。
- ポジションランプ付きウインカーが個人的にかっこよくない
あくまで個人的な話なんですが、ポジションランプ付いてるのあんま好きじゃないです。
- メーターデザインが若干見にくい
バー型タコメーターはもう無いものだと思っていいと思います。インジケーターがすごい前時代的なのも妙に気になります。まあどうせ走ってるときに目に付かないのでいいですが...ビューエルのチャチすぎるメーター(同じく視界に入らない)を若干彷彿とさせますが、時計とトリップ見えるだけマシです。
- H4ヘッドライト
H4はハイローで一灯のせいかどうも個人的には余り好きな光軸ではないです。ただ、オプションで補助灯が用意されてるので割り切りという考えもできます。ピッチングがある乗り物に付けるのは推奨しませんが、HIDでハイロー両方使えるというメリットもまあ無くはないですが。
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